「やり方はいろいろある」と、おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った。
2023年02月01日
J-wave、Good Neighborsにゲストで金井真紀さんが出ていて「世界のことわざ紀行」の話をしていました。その中でもっとも印象的だったのたがこちら。
「やり方はいろいろある」と、おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った。
フィンランドの諺(ことわざ)で、ほんわかした金井さんのイラスト(見た覚えがあるが知りませんでした)と合わさってとても優しい雰囲気ですが、デザイナー・プランナーの発想法としてとても大切なことだと思いました。
やり方はいろいろある。
- 「テーブルを拭く」という目的がはっきりしている。
- ふきんが無いが「どうしてもテーブルを拭きたい」。
- 本当は現実的とは言えない。
- 笑いがある。
- 発想において制限を設けない。
発想・アイディア出し・ブレインストーミングといった段階において、あらゆる制限は忌むべき物です。東京オリンピック2020にて「渡辺直美が減りから降りてきて『おりんぴっぐ〜』と叫ぶ」という話がありましたが、私はアイディア出しの段階では肯定派です。本来、世間に出る話では無いにも関わらずリークした学生(?)の社会経験の無さ/目立ちたがり/かまってちゃんと、昨今の過剰なコンプライアンス固守の弊害とか言いようがないでしょう。
例えば
目的:商店街振興のため、地酒をメインにしたイベントを開催して集客したい。
目標:5万人
アイディア:
- 駅の改札で振る舞い酒。
- 飲まないと参加できない運動会。
- 半裸のお姉ちゃん/屈強なハンサムがお酌。
- 酒風呂体験。
- 「葛城ミサト」と飲み比べ。
- 酒に合うツマミコンテスト。
- 酒造り体験。
- 燗酒温度比べ。
- 利き酒。
- お酒の創作ダンス。
- 酒の精キャラクターデザインコンテスト。
- 酒にまつわる落語。
- その他100個くらいのアイディア。
リスク管理:
- 危険性は無いか?
- 無理強いをしていないか?
- 公序良俗に反していないか?
- 反対勢力の介入を安易に赦していないか?
- 反社の介入を阻止できるか?
- 関係各所に悪い顔をされないか?
- 予算に無理はないか?
- 天候に左右されないか?
- 予想を超える事態(集客が多すぎる等)への対処をできるか?
- その他100個くらいのリスク想定。
判断:
- 面白いか?
- 目標を達成できるか?
- 将来に繋がるか?
宣伝/告知:
- 魅力を一言でまとめられるか(長々と説明しないと分からない魅力は伝わらない)?
- 目を引く&関連性の高いビジュアルは何か?
冒頭に戻ると、
- 「猫で机は拭かないよ!」というツッコミ/笑い。
- 柔軟というには極端な「可能性」を否定しない。
アイディア出しの段階で「安全/無難」「良識」「否定」「ジェンダー問題」「標準的」といったことを優先しないように発想したいものです。
もちろん、実現段階では良識に溢れていて楽しい企画にすべきです。私は猫でテーブルは拭きませんよ。
この記事は2023/02/01に公開され、37 views読まれました。