コストが高いWindows

2025年10月14日、Windows 10のサポートが終了します。

さて、このままWindows 11に移行しますか？さらに、早ければこの夏にはWindows 12発売という噂もあります。

金銭的コスト

• Windows 11に入れ替えるのであれば、ほとんどの場合PCまるごとの購入が必要です。
  1つは、企業のPCは比較的長期間使われているため、Windows 11が要求するマシンスペックを満足していない場合です。
  もう1つは、Windows 11へのアップグレードが可能であっても遅くて実用に耐えず、結局は買い換えが必要になる場合です。
• PCの処理費用もかかります。
• 近年はアプリケーションもサブスクが主流となり、継続的に大きなコストがかかります。

※ノートPCにこだわらなければ、流行の「ミニPC」という選択もできます。最近触りましたが一般用途には十分な性ので、安い物は3万円程度から入手可能です。Windows 11がストレスなく動作しました。

人的コスト

• Microsoftアカウント・ローカルアカウント、サーバアカウントの作成と管理。
• ネットワークへの参加、パスワードの管理等。
• メールアカウントの管理。
• アップデートの管理。特に24H2のように大問題が発生した時の対処。現在のWindowsは基本的には「自動アップデートの完全停止」ができない仕様になっているので、気がついたら勝手にアップデートされて使えなくなっていたということもあり得ます。実際に買い切り型のOfficeが消え、同時に過去のメールも失ったという事態に遭遇しました。
• 意味不明な日本語サポートの理解。分からない単語を分からない単語で説明していることのなんと多いことでしょう。Googleもそうですね。

Windowsでなければ仕事できない？

Macは？

Office、画像処理、インターネット等、通常業務に必要なアプリケーションは全て揃っています。同等の性能であれば今はかえってMacの方が安いこともあります。操作法も一貫していて「新規にコンピュータを使い始める」場合には教育コストが下がります。要は「慣れ」なのですが、そのハードルは無視できないですね。

Windows専用の業務アプリやブラウザを限定したサイトを利用の場合は注意が必要です。

Linuxという選択肢

「名前くらいは聞いたことあるぞ？」と言われることが多いLinux。まるでWindowsのように使えて、Office、画像処理、インターネット等、一般業務で何も困りません。

店頭では売っていないので、それが普及していない唯一の原因では？と思われるほどです。

オープンソースソフトウェアで、ほとんどのアプリケーションが無料です。またWindowsよりもはるかに軽快に動作します。そもそものセキュリティが強固で、アンチウイルスのためにパワーを喰われるといったこともありません。

使い方が難しいわけではないのですが、微妙にWindowsとは作法が違います。これもやはり「慣れ」の問題ですね。

Linuxとは？

大型計算機用のOS「UNIX」を起源とするオープンソースのOSです。狭義にはOSコアのみがLinuxです。現在は多様なパッケージが提供されています。

基本はテキストベースのコマンドで使います。MS-DOSと同じですね。その上にグラフィックインターフェースが載っています。ここでは本題を外れますので、詳しいことはググってみましょう。

WindowsとLinuxで、できることを比較

代表的なアプリケーションについて比較してみます。

実際の導入について

導入計画作成

ここではコストメリットから、既存PCのOSをWindowsからLinuxに入れ替えることを前提にします。

• 既存PCでLinuxが十分な速度で動くことを確認します。最低動作スペックは64bit CPU・512MBメモリ・9GB以上のHDDです。メモリ4GB・できれば20GB以上のSSDがあれば快適です。Windows 10 64bit版が快適に動いていれば何も問題ありません。
• Windows 11はの最低動作スペックは1GHz 以上で2コア以上の64ビット互換プロセッサまたはSoC・メモリ4GB・HDD64GB・セキュア ブート対応UEFI・TPM ver.2.0・DirectX 12以上。
• Windows 10には32bit版と64bit版があります。使っているWindows 10が32bit版だからといってCPUも32bitとは限らないため、CPUの種類を調べて確認します。
• 必要なアプリケーションを確認します。Windowsでしか動かないアプリケーションや、銀行取引等でブラウザを限定されていないか？一覧を作ります。
• ローカルデータをバックアップします。
• メールデータをバックアップします。POP3の場合はバックアップ、IMAPの場合は作業不要です。
• ブラウザの「お気に入り／ブックマーク」をバックアップします。
• PCを清掃します。
• Linuxをインストールします。
• アカウント作成、アプリケーションインストール、メール設定を行います。
• サーバ／NASにログインします。

Linuxっていっぱいあります

Windowsは1つですね。Macも1つです。Windows 10とWindows 11はあくまで「バージョンの違い」です。HomeとProffesionalもエディションの違いでWindowsとして違いがあるわけではありません、

ところがLinuxには「ディストリビューション」と呼ばれる「違う種類のLinux」がたくさんあります。

上で述べた「狭義のLinuxとはOSコアのみ」というのが理由です。コアに各種ツールやグラフィカルインターフェースを搭載してパッケージにしたものが、それこそ無数に作成されています。

現在の勝ち組はUbuntuです。さらに派生ディストリビューションのLinux Mintの人気が高くなっています。

ここではLinux Mintを採用します。

利用可能なPCは？

Windows 10が快適に動いていれば安心です。

「Windowsが重いな？」と思えるPCでも、CPUが64bit、メモリ4GB以上、SSD搭載であれば問題ありません。HDDでもよほど古くなければ大丈夫です。HDDのみSSDに感想することも可能です。

こちらは9,900円で中古購入した2019年のHPノートです。

HP ProBook 430 G5 製品詳細

第7世代CORE i5、8GBメモリ、500GB SSD、 HDMIポート、外部ディスプレイポート（アナログRGB ミニD-sub15ピン）、USB3.1×2、有線LANポート。あれ？なんでこんなに安いの？

Linux Mint 22.1 Xfce Edition起動USBから、サクサクとインストール完了。内蔵Wi-Fiをアッサリ認識してネットワークもバッチリです。

こちらはmouse Enta（のモニタ）。AMD A6、4GBメモリ、SSD128GBのミニタワーです。こちらも2019年モデルですがWi-Fiは内蔵していないためUSBタイプのWi-Fiアダプタを取り付けました。手元にあったのでTP-LINK（RTL8821AUチップ）とBuffalo（RTL8188チップ）。

$ lsusb

で認識はしているのですが、githubで拾ってきたドライバでは動作せず。もちろん有線LANは快適に使えます。ただいま古いUSB Wi-Fiアダプタを手配しているので、追加の動作確認をします。USBタイプのWi-Fiアダプタはあまり新しい物が使えないようなので、Linux標準ドライバで動く無線LANであることが重要なようです。

無線LAN／Wi-Fiの件は大変重要なので、別途記事で紹介します。

「慣れ」について

一番の問題は「慣れ」です。

• デスクトップの様子がこれまでと違う。
• アイコンが違う。
• アプリケーションの名前が違う。
• キーボードショートカットが微妙に違う。
• メッセージの表記が違う（Windowsよりは真っ当な日本語のはず）。

意味不明なブラックボックスが少なく、メッセージの内容が実体（ファイル）と結びついていて慣れれば快適なのですが、拒否反応が出る方もいらっしゃいますね。